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内海 隆行*; 佐々木 明
応用数理学会平成12年度年会報文集, 2 Pages, 2000/00
X線レーザー発振スキームには、固体ターゲットへの高強度・短パルスレーザー照射により高温・高密度プラズマ生成過程を含む電子衝突励起型スキームがあり、シミュレーション等により最適な発振条件を予測することが要求されている。固体ターゲット照射によるX線レーザー媒体プラズマ生成過程は、マクロスコピックな連続体の運動として記述することができるが、固体ターゲットへの超短時間での超高エネルギー注入に伴って生じる固・液・気相の多相流解析には、計算手法と、物質の状態方程式などの物質特性値が重要となる。計算手法として、CIP法(CIP: Cubic-Interpolated Propagation)とC-CUP(CIP-combined Unified Procedure)法が固・液・気各相界面での大きな密度変化を精度良く捉えられ、有効な計算手法と考えられる。ここでは、急速に状態が変化するX線レーザー媒体と外部気体の異なる2種類の物質の存在する系において「一般化された比熱比」をもちいた多相・多成分の連続体解析の定式化とその妥当性について報告する。
田中 宏志*
JAERI-Data/Code 96-007, 40 Pages, 1996/03
カー・パリネロ法に基づく第一原理分子動力学プログラムCamp-AtamiをスーパーコンピュータVPP500用にベクトル並列化した。並列化ではできるだけ大粒度の並列化を試み、逆格子点毎の計算とエネルギーバンド毎の計算を並列化することで全体の9割程度を並列化した。並列化によるスピードアップでは8プロセッサーまでほぼ一様に増加し、8プロセッサーで4.4倍であった。また扱えるデータを2基底に制限することで高速な並列版3次元高速フーリエ変換プログラムを新たに作成した。その結果、複数プロセッサーで実行した時には、提供されているライブラリーよりもはるかに速い処理能力を示すことができた。
荒木 政則; 小林 正信*
Review of Scientific Instruments, 67(1), p.178 - 184, 1996/01
被引用回数:4 パーセンタイル:43.42(Instruments & Instrumentation)核融合炉用プラズマ対向機器の寿命は、プラズマディスラプションの程度及び回数で決定される。このため、ディスラプション中のプラズマ対向機器表面材料の損耗や損傷を評価する必要がある。材料の溶融・蒸発挙動に関する研究は、いくつか行われているが、表面温度に関する研究は温度計測技術上、多くの課題があったため粗い温度測定がなされているのが現状である。このため、計量研究所と共同で、高電圧ノイズ下における短時間(0.1~3ミリ秒)・高温度(2000C以上)の温度測定技術の確立を目指して、核融合炉で想定される熱衝撃実験を行った。この結果、1)計量研究所にて開発された高速度赤外温度計にノイズ対策を実施することにより、核融合炉環境下に適用できること、2)実験結果は蒸発を考慮した2次元解析とよく一致した。本実験結果をもとに、多素子Ge高速度赤外温度計を設計・製作した。
高野 誠; 増川 史洋; 内藤 俶孝; 川添 明美*; 奥田 基*
Proc. of the Seminar on SCALE-4 and Related Modular Systems, 0, p.186 - 193, 1994/00
モンテカルロ法による遮蔽計算コードMCACEの並列計算機への適用性について検討するため、本コードを並列化した後、高並列計算実験機AP-1000上で実行し並列化による処理速度向上に関する測定を行った。最大64台のセルを使用し、基本的なプログラムフローを変えずに、比較的単純な方法で並列化を行ったが、MCACEコードでは最大52倍の処理速度の高速化が達成された。また、高速化を妨げる主要因は、セル数が多い時に問題となる並列化の不可能な部分に要する計算時間、およびランダムウォークを行う粒子数の少ない時に顕著となるセルでのアイドル時間であることが判明した。
P.I.Yazid*; 高野 誠; 増川 史洋; 内藤 俶孝
JAERI-M 93-230, 78 Pages, 1993/12
数種のUNIXコマンドとディスクファイルに、OPEN、CLOSE、READ、WRITE文のみを利用した単純な並列処理用FORTRANアルゴリズムによりMCNP4の並列化を行った。MCNPNFSと名付けたこのコードは、MCNP4の遮蔽解析における殆ど全ての機能を引き継いでおり、計算機の機種を問わず全てのプロセッサが同一のバイナリ形式ファイルを作成可能であれば、ネットワークで結合されたUNIX動作下にある全てのワークステーションで使用できる。MCNPNFSの性能は様々な例題を用いて評価され、異なる3台のワークステーションから成るネットワーク下では58~99%の、超高速モンテカルロ装置Monte4においては46~91%の並列化効率が達成された。
P.I.Yazid*; 高野 誠
Journal of Nuclear Science and Technology, 30(12), p.1299 - 1302, 1993/12
被引用回数:0 パーセンタイル:0.49(Nuclear Science & Technology)ネットワーク化されたファイルを複数のワークステーションがアクセス可能なことを利用して、ワークステーション間の情報通信およびタスク実行制御を行う方法を考案した。この方法により、通常のFORTRAN言語のみで特別なソフトを使うことなく複数ワークステーションによる並列処理が可能であることを示した。遮蔽安全解析用モンテカルロコードMCACEを、この方法により並列化し、その並列化効率を測定した所、90%以上の良好な値が得られた。
高野 誠; 小野寺 えみ*; 増川 史洋; 内藤 俶孝; 今若 恒幸*; 依田 佳久*
JAERI-M 93-128, 50 Pages, 1993/07
遮蔽安全評価用モンテカルロコードMCACEの並列化を、共有メモリ型のベクトル並列計算機Monte-4を使用した場合および複数ワークステーションを使用した場合の2種類の並列処理について検討した。Monte-4では、MCACEコードのコピーを4CPU上で実行し、並列処理後の結果を同一ファイルへ書き込む方法を用いた。複数ワークステーションによるネットワークパラレル処理では、ホスト・ノード型のモデルによる並列化について検討した後、先のMonte-4で使用したモデルを特別な並列処理用ソフトを使用せずFORTRAN言語のみで実現することを試みた。検討の結果、Monte-4では4CPUを使用してほぼ3倍の高速化が達成され、複数ワークステーションの場合には、4台のワークステーションを用いて、スカラー大型計算機M780以上の処理速度を達成可能であることがわかった。
高野 誠; 増川 史洋; 内藤 俶孝; 井戸 勝*; 中嶋 太二*
JAERI-M 92-193, 62 Pages, 1992/12
並列版MCACEコードを、並列計算機AP-1000上でセル数を1台から512台まで変化させながら実行して、並列効率の測定を行った。殆どの問題では、並列効率は80%以上の高い値を示した。しかし、比較的規模の小さな問題では、セル数の増大とともに通信時間が問題となり、処理時間は始めセル数とともに短かくなってゆくが、ある点で最小値となった後は増大してゆくことがわかった。一方、以前使用していた並列乱数発生方法であるLeap Frog法に不都合な点があることが判明したため、通常の乱数発生ルーチンを使った簡単な並列乱数発生方法を考察した。
森 貴正; 中川 正幸; 佐々木 誠*
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(12), p.1224 - 1227, 1992/12
モンテカルロ法による実験解析や遮蔽計算に広く用いられている点検出器評価法のベクトル化の研究を行い、原研で開発を進めている汎用多群ベクトル化モンテカルロコードGMVPに組み込んだ。FNSで測定された酸化リチウム平板からの漏洩中性子スペクトルの解析を行い、汎用スカラーコードMORSE-DDと比較することによって、その性能を評価した。GMVPでは98%以上のベトクル化率が達成されており、ベトクル計算によって約25倍の計算速度向上が得られた。その結果、実効的にMORSE-DDの約60倍の計算速度が実現された。これによって多くの計算時間を必要とした多数の点検器を用いる計算がベトクル化コードによって効率的に行うことが可能となった。本研究の結果は連続エネルギー法や他のNext event評価法のベクトル化にも適用できる。
高野 誠; 増川 史洋; 小室 雄一; 内藤 俶孝; 川添 明美*; 奥田 基*; 藤崎 正英*; 鈴木 孝一郎*
日本原子力学会誌, 34(6), p.533 - 543, 1992/06
被引用回数:1 パーセンタイル:17.26(Nuclear Science & Technology)モンテカルロ法による遮蔽計算コードMCACEおよび臨界計算コードKENOIVの並列計算機への適用性について検討するため、両コードを並列化した後、高並列計算実験機AP-1000上で実行し並列化による処理速度向上に関する測定を行った。最大64台のセルを使用し、基本的なプログラムフローを変えずに,比較的単純な方法で並列化を行ったが、MCACEコードでは最大52倍の処理速度の高速化が達成された。一方、KENOIVコードはMCACEコード程には並列化に適していないが,セル台数が8台の時に約5倍の高速化が達成された。高速化を妨げる主要因は、セル台数が多い時に問題となる並列化の不可能な部分に要する計算時間、およびランダムウォークを行なう粒子数の少ない時に顕著となるセルでの待ち時間であることが判明した。
森 貴正; 中川 正幸; 佐々木 誠*
Journal of Nuclear Science and Technology, 29(4), p.325 - 336, 1992/04
連続エネルギーモンテカルロ法に用いられる詳細な物理モデルに対しても高い効率を得られるベクトル化の方法を研究し、その結果を基に汎用ベクトル化連続エネルギーコードMVPを開発した。二つの典型的な問題に対して、従来のスカラーコードVIM及びMCNPと比較することによって本方法の特性を評価した。MVPコードでは95%以上のベクトル化率が達成されており、FACOM/VP-2600計算機上で従来のコードの8~22倍の計算速度が実現された。
川添 明美*; 高野 誠; 増川 史洋; 内藤 俶孝; 南 多善*
JAERI-M 91-066, 77 Pages, 1991/04
遮蔽解析精度の向上を目的として、遮蔽解析用モンテカルロコードMCACEの並列化を行った。効果的な並列化を行うため、MCACEの静的および動的なプログラム解析を行い、並列化のアルゴリズムを策定した。さらに、並列計算機の各セルの使用効率を向上させるため、それぞれの計算バッチを計算実行中に動的に空いているセルへ割り当てるなどの工夫を行った。並列化後のMCACEの性能評価を並列計算機のシミュレーターを使用して行った所各セルの稼動率がほぼ100%に近く、並列化が最大限行われていることがわかった。サンプル問題として、400粒子8バッチのものを全8セルの並列計算機上で実行させれば、約7.13倍の速度向上になることがシミュレーターにより予測された。
中川 正幸; 森 貴正; 佐々木 誠*
Annals of Nuclear Energy, 18(8), p.467 - 477, 1991/00
被引用回数:1 パーセンタイル:19.91(Nuclear Science & Technology)モンテカルロ計算において格子形状を用いると入力データの大巾な削減や記憶容量の節約に継がる。しかし従来のスカラーコードでは計算時間の短縮にはならない。ここではベクトル化コードに適した六角格子形状を扱う方法を開発し、これまで開発して来たGMVPコードに組み込んだ。本手法は形状表現がフレキシブルで簡略化されている。また面対称や回転対称なセルも座標交換により基準セルと全く同一に扱うので演算においてベクトル長が大きくなりベクトル化効率が高くなる。例題として二つの高速炉燃料集合体を解析し結果を衝突確率法を用いるSLAROMのそれと比較した。固有値の一致は良く計算時間はスカラー計算の24倍の高速化を達成した。また非格子形状を用いたベクトル計算に比べ半分となり、本手法がベクトル化モンテカルロ法に適している事が裏付けられた。
高野 誠; 増川 史洋; 内藤 俶孝; 川添 明美*; 奥田 基*
Proc. of the 2nd Fujitsu-ANU CAP Workshop,1991, p.M-1 - M-8, 1991/00
並列計算機がモンテカルロ計算の高速化にどの程度有効かを調べるため、モンテカルロ法による遮蔽計算コードMCACEの並列化を行い、高並列計算実験機AP-1000で実行し、最大64セルプロセッサを使用した場合の処理速度向上率を測定した。セルプロセッサ数が64の時、処理速度は52.5倍に達し、82%の高い効率でセルプロセッサが使用されていることがわかった。